2015/10/01 17:17

毎度ありがとうございます。泉屋茶舗でございます。
最近は、秋と言えば、ハロウィンが定着しているように思いますが、
お茶もまた、イベント事や記念日のようなものが、秋には幾つかございます。
例えば、この記事を書いている10月1日は、
豊臣秀吉が「黄金の茶室」で有名(?)な北野大茶会を開いた日に因み、「日本茶の日」とされています。
さて本日は、秋にいくつかあるお茶のイベントや記念日の1つ「蔵出し茶」のお話を簡単ですが、書きたいと思います。
蔵出し茶とは、春に取れた新茶(一番茶)を、適切な管理のもと、半年程寝かせたものを言います。
イメージとしては、お酒の何年物とかそんな感じでしょうか。
昔は、茶壷に入れて和紙で封をして、蔵などの冷暗所で保管していたそうです。
お茶を取り出す時に、茶壷の封を切ることから「壺切り茶」とも言われたりもします。

ともすれば香りや味をキツク感じることのある新茶ですが、寝かせることで、まろやかな味のお茶になり、
新茶の頃より美味しくなるなんて言われたりします。
保管技術の向上で、この時期なら、基本的に適切に保管されている一番茶ならすべてと言っても嘘にはならないと思います。
さて、当店のお茶で、蔵出し茶に相当するお茶となりますと、上述の通り一番茶を使用したお茶がそれに相当すると思いますが、
その中でも、特にと言われれば、「煎茶(金)」をお勧めしたく思います。

理由と致しましては、店主から聞いた話ですが、「煎茶(金)」は元々が蔵出し茶だったそうです。
初めは、春先に残ったものを厳重に保管して細々としていたものが、
徐々に人気が出て、「通年で飲みたい」と言うご要望が多くなり、「一年中新茶(一番茶)を」と言う形で、
秋口には蔵出し茶を、それ以外の時期は上等の一番茶を使用した、現在の「煎茶(金)」に落ち着いていったそうです。
そして今、季節はちょうど「秋」ですね…。
よろしければ、是非、季節の味をご賞味いただければと思います。

最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後とも泉屋茶舗をよろしくお願いいたします。